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PLC計装とは PLC計装のメリット PID調節計 チューニング画面 制御ループプログラム
制御プログラム標準化 オムロンのPLC計装 今後の計画 月刊誌[計装」


PLC計装とは


シーケンサー(以下PLC)を使用して、DCSに匹敵する高度なループ制御や高速ループ演算処理を用い、プロセス制御を実現出来るようになりました。このシステムに対して色々な呼び方があるようですが、固有商品名を避けここではPLC計装とします。

同一のPLCでループ制御とシーケンス制御の両方が可能であるため、特にバッチ制御設計時に頭を悩ませる両者の融合が楽ですし、ハードウェアコストの低減も図れます。





PLC計装のメリットは

PLC計装を導入すると今までPLCの他にデジタル調節計などを設け、シリアル通信したりハードワイヤで接続したりして信号取合をしていたのが一挙に解決することになります。この点はハード面もソフト面もコストダウンになりますが、逆にアナログは入出力全てPLC接続する必要がありますので、この点は場合によってはコストアップと考えられます。

又、デジタル調節計はそれ自身が顔の役目をしますが、PLC計装はソフト処理ですから顔がありません。HMI(Human Machine Interface)といわれるインターフェースを別途設ける必要が出てきます。

やはりPLC計装を導入するプラントについて、全体の管理体制をどうするか、ハード及びソフトコスト、PLC計装の優位点、問題点などをきちんと整理する必要があるということです。どの様な制御方法をとっても同じことが云えますが ・・。

PLC計装用として三菱電機製MELSEC-Qシリーズやオムロン製CS1シリーズがあります。ただ、ネットワーク計装部品として各ユニットが個別のコントロール機能をもち、単独で動作しながら融合した制御ループを形成するシステムとは違い1台のPLCに全負荷がかかりますので故障時の対応、PLCにかける負荷の大きさなどを考慮する必要があります。これを解決する方法として場合によってはPLC二重化を検討する必要も生じます。


ここではPLC計装はどの様なものかを検証した例を載せてあります。実際の運用では色々と改造していますので、参考程度に読んでみてください。




PID調節計

PLC計装で最も主となる機能はやはりPID調節計です。計装用CPUで無くてもPID制御は可能ですがソフトはそれなりに面倒ですし、機能の制限もあります。
ここでは弊社なりにPLC計装CPUを使用してPID制御機能を実現して来た結果、最終的に落ち着いた現状をご説明します。

三菱電機のPID制御はMANUAL-AUTO-CASCADEの切替が一体になっていますが、本来のCASCADE制御よりバッチ制御でSV値を変更することの多い弊社にはこれが使いづらいのです。一般的にMANUAL-AUTOの切替はMV値に対する操作であり、LOCAL-CASCADELSV-RSVあるいはLSP-RSPの方が解りやすいかも)の切替はSV値に対する操作であって別のものと思うのですが。
本来の調節計2台を使用したカスケード制御で二次側調節計をMANUALにすると、一次側調節計からのカスケード設定が切れてしまいます。MV値操作をしたらSV値カスケード入力が切れるのが嫌なのです。
上位にDCSを持っているメーカーはこの形を取っているようです。逆にデジタル調節計やワンループコントローラやPLCの上位という位置づけの場合は区別けしているようです。

もう一つ、MANUAL-AUTO-CASCADEの場合は外部SV設定をAUTO時にパルス的に入れてCASCADEと区別している例が多く見受けられます。この場合SV値は自由に変更可能ですが、外部SV値がパルス的に入力されるために元に戻そうとしてもその値が解りません。これも弊社の様にバッチ制御が多い場合は問題になります。

結局、ソフトを工夫してMANUAL-AUTOLOCAL-REMOTEの切替を作りましたので、これを弊社標準として使用しています。当然、DCSタイプのMANUAL-AUTO-CASCADEの方が良いといわれるお客様にはその様に対応しますが、今まで変更して欲しいという強い要求は受けていません。

ちなみにオムロンのPLC計装、富士電機システムズのかんたん計装はMANUAL-AUTOLSV-RSVと区別されています。

もここに弊社が使用しているPID制御のブッロク図を示します。






上段左のLOCAL-REMOTE切り替えでSV値を設定する方法を選択します。

上段右のAUTO RUN-MAN RUNは弊社独特のものかもしれませんが、バッチ制御でPID制御を自動でするのは当然ですが(AUTO RUN)、テストなどで強制的にPID制御をする場合にMAN RUNを選択出来ます。なお、この機能は常時は選択出来ないようになっています。

この下段のREADY MV設定指令はPID制御機能を働かせ無いときのMV値(READY_MV値)を指定する機能です。一般的には0%か安全を見て−5%設定です。
当然READY MV値からPID制御に移るときはMV値はREADY MV値からスタートします。

さらに下段のPRESET MV設定指令はPID制御機能開始時のMV値(READY_MV値)を設定して制御立ち上がりをスムーズにしたり、バッチ制御で強制的にMV値を固定する場合に使用します。
当然PRESET MV値からPID制御に移るときはMV値はPRESET MV値からスタートします。

PID演算されたMV値は出力上限値(MV_H_Limit)と出力下限値(MV_L_Limit)により制限されます。

左側中断の測定値警報(PV_AL)はHH、H、L、LLの4点を標準として持っています。弊社の場合、この警報はPLC計装部分(PX)では無くラダー部分(GX)で作成しています。その方がグローバル変数設定とかが不要で楽なからです。

同様に測定値イベント警報(EV_AL)は4点ないし6点を標準とし、PV_ALと同様ラダー部分で作成しています。この警報はバッチ制御に使用する目的のものです。

この下段の偏差警報(DV_AL)は2点を標準とし、これもラダー部で作成しています。

下段のAUTO-MANUAL切り替えでMV値を設定する方法を選択します。ここも当然のことながらお互いにバンプレスで切り替わります。

PLC計装CPUを使用していても、かなりの部分をラダー側で組んでいるのが特徴かもしれません。極端な言い方をするとPID演算とそれに付随する部分のみPLC計装部分を使用しているといえます。この辺はソフトを組みかたの思想的な違いによるのかもしれません。





チューニング画面

SCADA画面でのチューニング画面の一例です。最近はモニター解像度に合わせフルHD対応にしている場合が多いので、もっとワイドのなっていますし、表示としてはバッチ制御に対する情報など増えています。





上段左から説明します。
最初がPID設定部分です。三菱電機の比例制御設定は比例帯では無く比例ゲインですが、やはりお客様は比例帯の方が理解しやすいので弊社では比例帯設定としています。

次がPV_AL設定EV_AL設定部分です。PV_ALはHHとHはPV値が設定値以上になると検知、LとLLは以下になると検知します。検知すると赤色点灯します。
これら警報は使用するか否かを設定することが出来ます。この例ではEV_ALの下3点は未使用です。但し、警報点を制御に使用していて勝手に未使用にすると困る場合はオペレータによる未使用変更が出来ないようになっています。

次がDV_AL設定部分です。2点設定可能ですが一つの設定値で+−の偏差設定値となります。ここの例が液面制御で工業単位が%ですので解りずらいですが、DV_ALの設定は偏差%設定でなく工業単位設定としています。この方が設定し易いと思います。

次がMV値関係の設定部分です。上段からREADY_MVPRESET_MVMV_H_LimitMV_L_Limitの設定になります。

中央のグラフはチューニング結果を確認するためのものです。
一般にヒストリカルトレンドはPV値だけですが、ここではチューニング結果を見るためにPV値、SV値、MV値を表示しています。
同時に表示するタイムスパンとして6分、30分、60分の3種類が選択出来ます。系の応答が早いものでも遅いものでも、この3種類で大体対応出来るようです。
また更新をストップして1/2頁毎、1頁毎に戻ったり進んだりして過去のデータを見ることも出来ます。
なお、ここでは載せておりませんがもっと時間軸の長い各PV値のヒストリカルトレンドグラフ画面もあります。勿論、ヒストリカルトレンドグラフにもSV値、MV値及びデジタル信号の記録も可能です。

右側は調節計のイメージでSV、PV、MVも値がデジタル表示とバーグラフ表示されます。
最上段は札かけです。ここの例では調整中になっています。正常運転中は何も表示されません。
次段が計器Tag.Noです。その下の空白部分には計器名称が入ります。
次は工業単位です。SV値のデジタル表示、PV値のデジタル表示と続きます。

縦型バーグラフは左からPV値、現設定SV値、RSV値です。
LOCAL-REMOTE
の切替でREMOTEを選択するとRSV値=現設定SV値になります。この時中央と右のバーグラフは同じ値を示します。LOCALを選択するとマウスでSV値デジタル表示をクリックしてSV値を10キーウインドウで変更することが出来ます。この時中央と右のバーグラフは差が出ます。LOCALからREMOTEに変更するとき手動で設定していたSV値がRSV値に変更になりますが、その変更の目安になります。

次段はMV値のデジタル表示、バーグラフです。
MANUAL-AUTOの切替でMANUALを選択するとマウスでSV値デジタル表示をクリックして、MV値を変更することが出来ます。
AUTOを選択するとPID演算結果のMV値やシーケンスに従ってREADY_MV値、READY_MV値等が出力されます。
バーグラフは左がCLOSEで0%、右がOPENで100%表示になっています。弊社の場合、調節動作の正逆、操作端のNO、NC等にかかわらずこの形を取っています。オペレータとしてはそれらを意識しないで常に同じ操作が出来る方が解り易いという判断です。

LOCAL-REMOTEの切替表示はマウスでクリックすると、切替確認ウインドウが開き、再確認して切り替わります。
MANUAL-AUTOの切替もマウスでクリックすると、切替確認ウインドウが開き、再確認して切り替わります。
次の空白はAUTO RUN-MAN RUNの切替表示です。この機能は常時は選択出来ないようになっていますが、選択不可時は空白になります。

最下段が現在のPID演算状態をREADYRUNのランプで表示しています。ここの例ではAUTO RUNでPID演算をしている状態です。


この様に一般的な状況であればどの様な操作も可能な画面としてあります。実際は更に情報量を増やしている場合が多いですが、元となっているのはこの画面です。






制御ループプログラムの作成

実際に制御ループプログラムを作成する方法は、メーカーの資料を参照して下さい。プログラミングツール(PX)を使用してループプログラム作成後、モニターを起動し各構成ブロックでの値を確認しながら、調節計フェースプレートで調節動作の確認をすることも可能です。
実際にPLCにPV入力やMV出力を接続するわけではありませんので、仮に無駄時間と一次遅れを使ってMV値をPV値に戻してシミュレーションできます。

弊社の場合は入力(アナログもデジタルも)はSCADA画面やTP画面で模擬入力出来るようにする場合が多いので、これら模擬入力を使用してデバッグします。この場合は自由にPV値等を変更できるのでPID動作の確認や警報点での動作確認には便利です。

この他にもモニタツールがあり、グループ表示、チューニング、トレンド表示などのモニターが可能です。このツールにグラフィックが付加できれば素晴らしいと思うのですが。PLCメーカーとしての色々な制限があるのかもしれませんね。

三菱電機のPLC計装関係では
理解しやすいのは「MELSEC計装 テクニカルガイド」です。
オムロンでは資料としては「PLC計装エンジニアリングガイド」は出来の良いものだと思います。






制御プログラムの標準化

仕事をする上で毎回同じパターンのものを作成するほど無駄なことはありません。
PLC計装のGX側プログラムの内、調節計に関する範囲は標準ソフトとして固定し、アドレス変更するだけで出来るようにしました。
制御モード変更、スケール変換、SV値設定、MV値設定、PID設定、PV警報設定、DV警報設定、SCADA表示用またはTP表示用ソフトなどは一つの基本ソフトとして出来ています。
EXCELで出来たループ毎の設定表に調節ループ名称を入れ、決められたアドレスをGXのデバイス置換で置きかえれば新しい調節ループが出来上がります。

同様に指示警報計に関する標準ソフトもスケール変換、PV警報設定、SCADA表示用またはTP表示用ソフトなど調節計標準ソフトの一部を流用します。

調節計、指示警報計のEXCEL表も当然基本形として出来ています。この様な基本形はシート保護をかけ、記入部分以外は操作できないようにするのが間違いを防ぐのに有効です。

同様にPX側プログラムも基本的なPID制御ループなどは固定されます。また制御モードの外部設定(この場合の外部設定とはPCやTPからGXを通しての設定の意味です)、SV値やMV値の外部設定、PIDの外部設定、シミュレーション用プログラムなどは基本プログラムとして標準化しました。それらは色々な条件の下でデバッグ済みですので、これらを出来る限り利用することにより設計時間短縮が図れ、又デバッグ時間の大幅な短縮が可能となります。






オムロンのPLC計装

今回は三菱電機のPLC計装を試してみましたが、PLC計装での歴史はオムロンの方が古いです。そのせいでも無いでしょうが実際ソフトを構築する上での使いやすさ等はオムロンの方が優れている感じがします。
三菱電機の場合は細かい機能は多々あるけれど、実際に使える一つの機能ブロックを作るにはそれらを組み合わせて自分で作らなくてはいけません。オムロンの場合は一般的な機能ブロックは大体揃っている感じですぐ使えます。従ってその機能ブロックに対する入出力条件等も解りやすく整理されています。逆に難しいループを作ろうと思うと、アレッという感じです。ある意味、三菱電機の方が何でも自分で作ってしまう玄人向けなのかもしれません。

このちょっと勉強すれば誰でもソフトを作れるか、ちょっと取っつきにくいけど慣れると色々なことが出来て良いなと感じたのは、ラダーソフトに関してもPLCを使い始めた頃に両社の違いを感じました。

三菱電機の場合、最初にGXとPXの連絡のためにグローバル変数を設定しなくてはいけませんが、これが結構面倒です。標準化が進んでくればこれも一定のパターンで出来ますが、最初は何度も手直しをしました。今は標準化してEXCEL表で殆ど決定されています。
オムロンではこの様な設定が必要なく、PLC計装プログラムとラダープログラムが通信できます。それぞれ一長一短はあるのでしょうがユーザーから見れば楽だなと云う感じがします。
実際には三菱電機の場合もタグメモリーテーブルというのがあり、これをうまく使えばグローバル変数を設定しなくても良いのですが、アドレスの割付計算が面倒なので、弊社の場合は結局標準化したEXCEL表にグローバル変数を割り当てて使用し、タグメモリーテーブルは使用していません。

オムロンにはSCADAソフトとの通信用にEMエリア(HMI/IFデータエリア)が準備されていますが、これはよく考えられた機能ですが、実際に使用するときに目的のものが無いという状況が発生した経験があります。


なにより三菱電機は前述したMANUAL-AUTO-CASCADEの切替が一体になっていますが、オムロンはMANUAL-AUTOの切替とLOCAL-CASCADELSP-RSP)の切替が別になっているのが嬉しいです。結局、慣れと好みに寄るのでしょうが。






オムロンのPLC計装を実務で使用したタッチパネル画面です。今までの経験を生かして下記のような仕様にしました。

PV警報は計4点を標準とし、主にHH〜LLの接点は警報に利用、AL1〜AL4の接点はインターロックに使用します。スケール値をオーバーした値を設定した場合は動作上無視されます。
DV警報は設定2点で上下別々に動作します。
MANUAL-AUTOの切換は三菱電機の場合と違ってウインドを使わないワンタッチです。
同様にLOCAL-CASCADEの切換もワンタッチです。
MANUALが最優先になりますが、AUTO選択時もバッチ制御対応を標準としてAUTO RUN-MAN RUNが選択出来るようにしてあります。
更にREADY時のMV値、PRESET MV値なども設定可能です。

以上の仕様により連続制御プラントにもバッチ制御プラントにも殆ど対応出来ると思います。

但しロジック回路はHMI/IFなどのワードデバイスのビット指定を生かそうとすると不満足です。
三菱電機なら接点や出力でで直接ビット指定が出来る(D10.1のように)ものがオムロンだと接点として使用するにはビットテスト命令(TST)、出力では1ビットアウト(OUTB)か1ビットセット、リセット(SETB、RSTB)等の命令を使用しなくてはいけません。これは入力も面倒ですし、画面上もスペースを食って決して使いよいとは云えません。ようやく最近ビット指定出来るPLCも出てきたようです。

弊社はエム・システム技研のMsysNetでワンループ調節計などのソフトを構築してきましたので、より組み方の近いオムロンの方が楽に感じられるのかもしれません。三菱電機のPXソフトも細かいバージョンアップで少しずつ使いやすくなってきています。
より一層、両社の技術開発が進み、私達に使い良いソフトになっていくことを期待しています。






今後の計画


HMIにPCやTPを使用しPLCを用いてプロセス制御をすること、シーケンス制御と上手く融合することなどは基本的に確立できたと思っています。更にPLC間NETで相互のプラントを接続することは過去に多くの実施例があるので問題はありません。

しかしながら、市販SCADAでは例えばバッチ報など対応出来ないものもあります。現在PLCとEXCEL間で通信してバッチ報を作成していますが一つ一つ手作りになっています。これを将来パッケージ化出来無いかなど考えています。

皆様のご意見、ご要望をお待ちしています。将来どの様なシステムが良いと思われているか、現在どの様な点に問題があるのかなど是非お聞かせ下さい。色々なご意見を参考により良い、簡単で安価なシステムをご提供できるよう研究していたいと思っています。





月刊誌「計装」


工業技術社様からの依頼により月刊誌「計装」20015年7月号の特集「転機に立つ計装−さらなる適応に向けた新たな着眼点」の中で「これからのPLC計装選定の視点とスマート化への適応課題」というタイトルで執筆させて頂きました。

内容的には具体的な導入例の紹介では無く、PLC計装が受け入れられ応用分野が広がって来た背景と、PLC計装のみで無くSCADAなどを含めた計装システムとして弊社が設計時に注意している点や、今後更に進むと思われるフィールドバスとの接続やスマート化に関する問題点など将来的なことに触れたものです。
技術的内容についてはHPの方が詳しいですが、逆に「SIの視点から見た計装」という、ちょっと客観的な目で見た点ではHPでは紹介されていない内容です。




      






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